乾性角結膜炎(ドライアイ)

角膜とは眼球の前面にある透明な部分、結膜とは眼球の白目とまぶたの内側の粘膜部分のことをいいます。

乾性角結膜炎の原因は?

乾性角結膜炎(かんせいかくけつまくえん)は涙の量もしくは質(涙に含まれる成分の量)の低下によって引き起こされる角膜の障害で、ドライアイとも呼ばれています。

目の表面の涙は水分だけではなく、他に油成分、粘液成分で構成されており、油は涙の上に油膜を作り涙の蒸発を防ぐ役割、粘液は涙の表面張力を強めて涙を目に留め、こぼれ落ちるのを防ぐ役割があります。

水分は上まぶたの涙腺や瞬膜の瞬膜線、油成分はまぶたにあるマイボーム腺、粘液は結膜から分泌されます。

乾性角結膜炎の原因として、これらの分泌器官の先天性の低形成、免疫反応性の萎縮、神経性による疼痛低下、機能異常などが挙げられます。

乾性角結膜炎は、もともと目が飛び出ている犬種(シーズー、チワワ、パグ、F・ブルドック)に多くみられます。

乾性角結膜炎の症状は?

乾性角結膜炎の症状として、白目の充血、目をしょぼしょぼする、目を閉じている、目ヤニが多い、目やその周りをかくというのがみられます。

慢性化すると角膜が白く濁り、最終的には色素が沈着して黒くなり失明の危険性もあります。

乾性角結膜炎の基本的な治療として、涙に代わって目の表面の乾きを補うために入口涙液などの目薬の長期の頻回投与が必要となります。

しかしこれは根本的な原因の治療にはならないので、いったん状態が落ち着いても再発してしまう可能性があるため、根気強く付き合っていかねばならない病気です。

 

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公開日:2014/10/23
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