尿崩症

尿崩症は主に多飲多尿を主訴とする病気です。尿崩症は原因によって中枢性尿崩症と腎性尿崩症に大別されます。

中枢性尿崩症は下垂体から分泌され、腎臓の集合管で水の再吸収を促進する作用をもつアルギニンバソプレシンというホルモンの分泌障害に起因し、水を腎臓で吸収できないために多くの水を尿として排出してしまうのです。

一方、腎性尿崩症は腎臓の尿細管にあるアルギニンバソプレシンに反応する部分(受容体)の感受性低下に起因し、これも水を吸収できないために多尿となります。

尿崩症の原因は?

中枢性尿崩症の原因として、視床下部や下垂体の先天的な異常、下垂体腫瘍、下体腫瘍にに対する治療(放射線療法や摘出術)、外傷等が挙げられます。

腎性尿崩症の原因として、遺伝性、多くの場合は種々の腎臓の疾患が挙げられます。

尿崩症の治療は?

尿崩症の治療方法として、中枢性尿崩症の場合、抗利尿ホルモン剤を定期的に投与します。

腎性尿崩症の場合、効果的な治療法はなく、腎臓の病気がきっかけで発症しているのなら、食事療法などで腎臓の状態を少しでも改善させます。

また、犬が脱水にならないよう自由に水を飲める環境を整えて、できる限り水分補給に努めることも重要な治療となります。

11

関連の記事

  • クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症) クッシング症候群とは副腎からステロイドホルモンであるコルチゾールが過剰分泌されることにより引き起こされます。クッシング症候群はゆっくりと進 […]
  • アジソン病(副腎皮質機能低下症)アジソン病(副腎皮質機能低下症) アジソン病は、副腎皮質から分泌される副腎皮質ホルモン(ステロイドホルモン)が不足することによって起こる病気であり、犬でしばしば認められ、猫 […]
  • 糖尿病 動物の体を構成する細胞は、体に取り込まれ蓄えられた糖分を血液から吸収して、エネルギー源として活用しています。 その際に血液中の糖分を […]
  • 低血糖症低血糖症 低血糖症とは、血中の糖分濃度が著しく低下してしまう病気です。 脳は血液中の糖分を唯一のエネルギー源として活動しているため、血糖値が低 […]
  • 上皮小体機能亢進症上皮小体機能亢進症 上皮小体ホルモンの働きとは、血液中にカルシウムが不足するとカルシウムを骨から放出させ、血液中のカルシウムの濃度を上昇させます。    […]
  • 上皮小体能低下症上皮小体能低下症 上皮小体ホルモンは、血液中のカルシウムの濃度を上昇させるホルモンです。 血液中にカルシウムが不足するとカルシウムを骨から放出 […]
公開日:2014/10/24
更新日:
治療は光が丘動物病院グループへ
日本で数少ない「1.5次診療」をおこなっている当グループは、
大学病院に匹敵する獣医療の提供飼い主様に徹底したインフォームド・コンセントしています。
大切な家族でお困りの際には、お気軽に相談ください。

PAGE TOP