おしっこに石 尿路結石、膀胱結石は手術が必要?

おしっこが頻繁に出る「頻尿」、そういった状態になって動物病院に行かれた方も少なくないと思います。

ワンちゃんも猫ちゃんも、おしっこに石や石の元となる結晶ができてしまう事は、動物病院では比較的多くみられます。

膀胱結石、結晶、その原因は?

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おしっこに石や結石ができてしまう原因は、ほとんどが食事と動物たちの体質の問題であることが多いです。

また、出来てしまう結石や結晶の成分も、ほとんどが代表的な「ストラバイト結晶」と「シュウ酸カルシウム結晶」の二つであることから、これらができにくいような処置をすることが一段階目の治療となります。

食事だけで治る?

特にストラバイト結晶は多くみられ、また食事療法で改善するケースが多いです。

食事療法とは、動物専用の治療食を開発しているメーカーから出ている、いわゆる『処方食』を食べてもらう事です。

結晶の原因となるミネラルの量が調整されている事と、膀胱にためられた尿のpHを調整することで石を出来にくくしてくれます。

ストラバイト結晶の場合は、膀胱中のpHを調整することによって、石が少しずつ溶けることもわかっています。

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その為、尿検査で石の原因であるストラバイト結晶が見られ、レントゲンや超音波検査で膀胱内に石が確認された場合、食事療法のみで改善することも珍しくありません。

ただし、石があまりにも大きく、膀胱の内側を常に傷つけてしまっている場合や、逆に小さくて男の子の尿道に詰まってしまう場合などは手術が必要となります。

溶けてくれない石も…

一方、シュウ酸カルシウム結晶の場合、石と認められるほど大きくなってしまった結晶は、食事療法やpHの調節で石は溶けてくれません。

シュウ酸カルシウム結晶認められた場合には、同じくそれ以上結晶や石が出来ないよう食事量を続けることと、すでにある結晶は手術にて取り出す他手だてがありません。

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上にも記載されていますが、石をそのままにしておくことのリスクも勿論あります。

膀胱の内側の粘膜を常に傷つけ、慢性的な膀胱炎を引き起こしたりそこから細菌感染を起こしてしまう危険性があります。

その他、あまりよく見られない珍しい石の結石の場合もあります。

尿検査ではストラバイト結晶が出ていても、膀胱の中では違う石ができていたり、2種類の結晶が混じった石ができることもあります。

いずれの場合も、手術をしなくても改善の可能性があるのか、手術をして取り除かなければ他の問題や病気を引き起こしてしまう場合を考え、手術するかどうかを検討します。

高齢であったり、他に健康面で問題の無い仔であれば、膀胱内の石を取り出す手術はさほど危険な手術ではありません。

もし愛犬や愛猫がそのような状態にあったら、毎日膀胱炎で苦しむ状況を選ぶより、一山乗り越えて楽な生活をさせてあげることを選んでほしいと思います。

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