声帯切除の一例

声帯を切除する手術、それは鳴き声がなくなるという手術です。

めったに行うことがない手術ですが、とある事情があった場合にお受けすることがあります。

通常行う手術ではない

それは普段から鳴き声がうるさいといった場合ではなく、歳を取り痴呆の症状として大きな声で常に鳴いてしまうという場合です。

ワンちゃんの高齢化が進み、今まで鳴かなかった子がしきりに鳴き続けるといったことも度々見られる様になってきました。

最初は軽い鎮静薬、睡眠薬のような薬でコントロールできるか試したりします。

それでもどうにも止まらなく、飼い主様の睡眠も満足にとれないほど鳴き続けるといった場合、最後の手段として声帯切除を行うこともあります。

もちろん、高齢になってからの手術はかなりのリスクがあり、麻酔から無事覚めてくれるかという事も視野に入れて飼い主様と慎重にお話を重ねていきます。

手術は仰向けの状態にして、人でいうのどぼとけのあたりから切開をしていきます。

気管を直接切開、ひだを切除

気管を露出し、声帯のある位置あたりから切開し、気管を開きます。

声帯は左右にひだ状になっていますので、出血を止めながら切除します。

その後は気管をしっかりと縫合して終了です。

手術自体の時間はさほどかかりません。ただし、高齢の子にとっては安全な手術とは言えません。

飼い主様とワンちゃんの関係を崩さないための特別な手術

上記のような特別な場合に、獣医師と飼い主様がしっかりと話し合って決断します。

飼い主様とワンちゃんが、その先何年かの生活を楽しく過ごせるための特別な手術です。

 

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