犬の関節サプリメント 効果あるの?
動物病院でサプリメントを勧められたことはありますか?
膝の脱臼を患っているワンちゃんの飼い主様はありますよね。
コンドロイチンやグルコサミン、最近はDHAやEPAと言った脂肪酸のサプリメントも各メーカーから出てきています。
果たしてこれらのサプリメントは本当に効果があるのでしょうか?
サプリメント、ほんとに効果ある?
当院でももちろんコンドロイチンや脂肪酸のサプリメントを販売しており、もちろん飼い主様に勧めています。
サプリメント類は薬とは違って、その効果が約束されているものではありません。
しかしながら、主要な成分が含まれている食品を摂取し続けることで症状の改善が見られるケースが少なくないことも事実なのです。
そして「少なくない」と表現したのも、やはり「多くない」と言った結果があるからです。
効果が出るのはどれくらい?
サプリメントを摂取し続けることで症状の改善が見られるケースは、約3割と言われています。
例えば膝の脱臼の進行が止まる、緩慢になる場合や、傷みを感じることが少なくなったり、痛がらなくなったりと言った結果が出た場合を成果と捉えています。
やはり個体差があり、飲んだ場合と飲まなかった場合を簡単に比べられので、飼い主様が悩まれる気持ちも分かります。
当院はそれでもサプリメントを摂取することは有意義だとしています。
と言うのも、特に手術など根治治療を行わないと選択された方には是非とも続けてもらいたい理由があるのです。
続けてもらいたい理由
関節は骨と骨が組み合っている場所です。正常な状態では、骨と骨は直接触れあうことはなく、互いがぶつからないよう靭帯や関節包、関節液といった周辺の組織によって守られています。
脱臼などを起こすことによって、これらの組織では守りきれず傷みなどの症状を起こしてしまいます。
この傷みは骨と骨がぶつかることで出てきますが、その際に骨の表面の軟骨組織がかなり壊されてしまいます。また、痛みを感じていない場合でもこの現象は起こり続けています。
傷付くと戻らない軟骨
一番怖いことに、この軟骨組織は一度傷つくと治すことができないのです。
手術で膝の脱臼を治したとしても、手術までに傷ついた軟骨組織は治ることはありません。
長寿の悩み
しかしながら、昨今は動物達も長生きできるようになり、人と同じ現象を起こす子も増えてきました。
割と若い頃から関節の悩みを抱えている子などは、やはり年老いてから重い関節症状を起こしてしまう子もいます。
猫ちゃんも関節炎を隠している仔も多く、痛みを我慢していることが多いそうです。
サプリメントは上記にもあったとおり効果の期待できる子は3割と言われています。ただし、骨へのダメージを軽減できるという期待ももてます。
痛みが出る前に
脱臼の程度が低いので様子を見ましょうと言われている方も少なくないと思いますが、私たちは症状の軽いうちにサプリメントをはじめてほしいと強く願っています。
早いうちからいたわってあげることで、将来傷みのない生活をおくれるかもしれないのです。
また、手術を受けた子も飲んだ方が良いとされています。今までに傷付いたものを、今以上悪くしないためにも、今一度動物病院でサプリメントのお話を聞いてみて下さい。
大学病院に匹敵する獣医療の提供と飼い主様に徹底したインフォームド・コンセントしています。
大切な家族でお困りの際には、お気軽に相談ください。