異物誤飲症例のキーポイント

今回から数回にわたって、異物を誤飲した症例をご紹介させていただきます。

食事以外の物を誤って飲み込んでしまったことを誤飲と表現しますが、実際の症例ごとに見るとその誤飲物は様々です。

対処も胃を開かなければならない場合や内視鏡と鉗子で摘出する場合、薬剤で吐かせて取り出す場合など多岐にわたります。

内視鏡による摘出

今回は内視鏡を使って摘出する場合をご紹介しようと思います。

内視鏡にて異物を摘出する場合、まずは誤飲したものがなんであるかはっきりしている事が重要です。というのも、内視鏡のチューブ内に直径1~2mm程の空洞が通っていて、その中に異物を摘出できる鉗子を通し異物にアプローチします。

実はこの鉗子はどんな異物でも摘出できる(摘みあげられる)というわけではないのです。鉗子のタイプは様々ですが、焼き鳥の串やそれほど大きくないビニールや布などであれば摘まんで引き上げることは可能です。

ただし摘まむことができないくらい固い形のものや重いもの、摘まめる部分の無い円形のものなどは苦手です。

安全でダメージも少ないが…

よって内視鏡を使っての異物摘出は、その鉗子で摘みあげられるものに限定された場合にのみ行われます。麻酔はかけますが、お腹・胃を開かずに行えるので生体への侵襲は少なく魅力的な処置です。

ただし何でもかんでも摘出できるというわけではないので、内視鏡で取り出せるのであれば非常に幸運なケースだといえるでしょう。

 

 

公開日:2015/05/11
更新日:
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