膝蓋骨内方脱臼整復術のキーポイント

今回から膝蓋骨(膝のお皿)の脱臼整復についてお話しさせていただきます。前回の椎間板ヘルニアとならんで、当院で一番多い外科手術の一つになっています。

小型犬に最も多い整形外科疾患

この膝蓋骨の脱臼は小型犬で最も多くみられ、手術を受けるのもそのほとんどが小型犬です。ただ、

小型犬は体重が軽いので多少の脱臼ではあまり痛みが見られないこともあり、程度や痛みの具合によって手術を行ったり、サプリメントや痛みどめで経過を観察したりしています。

膝の脱臼整復の手術は、その症状のひどさや程度により手術の方法が分かれたり、いくつかの方法を組み合わせて行います。

インプラント挿入による整復

当院で一般的に行う整復方法は、「パラガード」といわれる金属のインプラントを挿入します。

膝のお皿が脱臼している方向(通常は足の内側)に、お皿が脱臼しないようにインプラントを埋め込み壁を作ります。インプラントが挿入されたことによる不具合はほとんどみられることはなく、一般的な程度の脱臼であればこの方法で問題なく完治します。

ただし、インプラントを打ち込んだ際、お皿とインプラントがすれ合う面が滑らかでないと、後々痛みや違和感などを訴えるようになります。

インプラント挿入後は、インプラントと膝のお皿の摩擦がひどくないか入念にチェックし、滑らかになるように膝のお皿の側面を微量にトリミングして調節します。

この一般的な膝蓋骨脱臼の整復については、最新の手術症例で何度かご紹介させていただいていますので、そちらも重ねてご覧ください。

次回は程度による手術の違いをご紹介します。

公開日:2015/03/23
更新日:
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