頸椎ヘルニア手術のキーポイント

年末、当院グループには頸椎ヘルニアを患った子が多く来院され、手術が立て続けに行われました。
この病気は手術後のリスクも高く、内科の治療で症状がコントロールできるのであれば無理に手術まで踏み込まないこともあります。

首の手術は喉からアプローチ

今回手術をした子たちは、「歩けない」「起き上がれない」といった重篤な症状があった子たちでした。
この手術のキーポイントはいくつかありますので、何回かに分けてお伝えしようと思います。

まず【頸椎】とは首の骨のことなので、首の骨にアプローチしやすい体位で手術を始めます。

基本的には仰向けにした後に首の下にバスタオルなどを丸めて置き、のどが盛り上がり頭は背中の方へ下がるような恰好にします。こうすることで顎や胸といった高い場所よりも首を上にあげることができ、手術がしやすくなります。

その後はのど元から切開を入れて筋肉を剥離し、気管や食道などを丁寧によけながら、それらの下にある背骨へとアプローチしていきます。

喉には重要な器官が存在する

この気管や食道などがある場所は、太くて重要な血管や神経なども走っており、安易に刺激すると麻酔がかかっている体に余計な負担をかけることとなるのでとても気を使わなければなりません。

助手は気管や食道の下にある背骨を露出させるため、これらを一時的に器具で支えたり避けたりしなければならない場面があります。

この時の集中力は自分でも呼吸をするのを忘れてしまうくらいで、手を放せたときは一際大きな安堵感に包まれます。

次回は手術の続きもかねてお伝えします。

公開日:2015/01/27
更新日:
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