これって椎間板ヘルニア?それとも骨折?脱臼?
飼っている犬の後ろ足に異常が見られたら?
犬種によっては「椎間板ヘルニアかも?」とか思ってしまうかもしれませんね。
私達も問い合わせの電話を受けた際、飼い主様が伝えてくれる内容だけではなかなか症状は判断できません。
飼い主様も足をかばってそうだったり、動きがおかしそうだったりするのはなんとなくわかりますよね。
でも、それがどういう原因で起こっているのかまでは分からないと思います。
骨折の場合
ワンちゃんが足を骨折した場合、一番わかりやすい判断基準は「地面に足を着けない」という点です。
骨が折れてしまうと、自分の体重を支えている足に体重をかけられません。
激しい痛みが生じてしまうからです。また、かばっている足を触っただけでもいたがるでしょう。
なので反射的に足を地面に着かないように、ワンちゃん自身が足を持ち上げます。
足をかばっている時、足の先が地面に着いていない場合、骨折している可能性がありますので動物病院に向かいましょう。
ただし一時的な「うちみ」や「ねんざ」でも足を上げることがあります。
この場合、時間の経過でかばっていた足を使うようになってきます。
様子を見ても一向に足を着いていないようであれば骨折の疑いが強くなります。
脱臼の場合
ワンちゃんが足を脱臼した場合、その脱臼した箇所によって少し反応が違います。
よくみられる後ろ足の脱臼の場合、股関節か膝の関節が脱臼している場合が殆どです。
骨折と同じく、脱臼している状態だと痛みが生じているため、足を上げてしまいます。
関節が脱臼しているため、曲げたり伸ばしたりする運動の際に痛みが強く出ます。
優しく触っているだけでは痛みは強く感じないはずですが、かばっている足を伸ばしたりしようとすると激しくいたがる場合が多いです。
膝蓋骨の脱臼
小型犬で膝のお皿(膝蓋骨)の脱臼を頻繁に起こしている仔も多いと思います。
この脱臼は、脱臼の類でもめずらしく痛みを生じない場合が多いです。
ただし程度がひどくなると激しい痛みや骨の変形までも起こりますので、けして放っておいてもいいという事ではありません。
日頃から脱臼を繰り返している子はあまり痛がることがありません。
ただし脱臼の程度が進んでしまったり、急な負荷がかかった際に痛みを生じます。
椎間板ヘルニアの場合
椎間板ヘルニアの場合は骨折や脱臼の場合と明らかに違う点が見られます。
足を上げてかばう仕草をしません。
足は常に地面に着き、曲げても伸ばしてもいたがることがありません。
さらに症状が強い場合は、強引に強くつねっても痛みを感じません。
この症状が見られた場合はすぐに動物病院に問い合わせましょう。
椎間板ヘルニアは、症状が出てから手術を含め早めに治療を行った方が、症状の経過が良い方向に向かうケースが多いです。
椎間板ヘルニアのさらに詳しい事についてはこちら↓をご覧ください。
いかがでしょう?
参考になっていただけたら幸いです。
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