なってしまう前に知っておきたい!犬の椎間板ヘルニア
うちの子がヘルニアを起こしてしまうかも?その時どうすれば?
ミニチュア・ダックスフントやウェルッシュ・コーギー、フレンチ・ブルドッグを飼っていらっしゃる飼い主様は、椎間板ヘルニアという病気に対して危機感を感じてはいませんか?
もしかすると、お友達のワンちゃんが椎間板ヘルニアになってしまったということもあるかもしれません。今はそれくらいこの病気が有名になっていますよね。
そして椎間板ヘルニアは「突然なってしまう」とよく耳にするとおもいます。この「突然なってしまう」というのは、腰の痛みや動きたくなさそうな症状を飼い主様が確認する前に、いきなり後ろ足が動かなくなってしまうという状況です。
飼っているわんちゃんが突然そのような状態になってしまった場合、飼い主様はまずどうすればいいのでしょう?「とりあえず様子を見ていい」のか?「すぐに動物病院に行く」方がいいのか?
今回はなってしまう前に知っておきたい、椎間板ヘルニアのアレやコレをお伝えします。
本当に胴長短足?特徴的な体型の理由って?
最初にも書いてある、ミニチュア・ダックスフントちゃんを代表とする特定の犬種に多くみられる訳をご説明します。
「ミニチュア・ダックスフントは胴が長くて腰に負担がかかりやすいから」という理由で椎間板ヘルニアになりやすいと時々耳にしますが、実はこれ、正しい知識ではないんです。
ミニチュア・ダックスフント、ウェルッシュ・コーギーちゃん達は「足が短く、胴が長い」印象がありますが、実は胴体は普通で脚が短いだけなんです。穴に入って猟をしやすくしたり、牛に蹴られないようにということで足を短く改良された犬種です。
胴体ではなく「足を短く改良する」という事が、椎間板ヘルニアを起こしやすくしてしまっている原因なんです。
というのも、足を短くするために、軟骨の遺伝子が正常ではない個体同士を掛け合わせて犬種を作成してきたからなんです。
椎間板も軟骨でできています
じつは椎間板も軟骨でできていて、背骨と背骨の間に挟まるようにして存在しています。これは骨と骨がぶつからない為であり、衝撃を和らげるためでもあります。
ミニチュア・ダックスフントちゃん達の軟骨は通常の子たちと組成がすこし違う為に、衝撃や何らかのアクションを取った際、椎間板が割れて中に入っている物質が外に飛び出てしまうという特徴を持っているんです。
この外に出た物質が神経を強く圧迫し、後ろ足を動かなくさせてしまいます。これが「突然なってしまう」理由です。
すぐに行ってほしいことは、飼い主様ならだれにでもできることです
さらに急激な圧迫を受けた神経は、時間が経つにつれて回復しにくくなっていきます。どの程度の圧迫の強さがあるかにもよりますが、とても強い圧迫がある場合、48時間以内には外科手術で対応しなければ、回復率がどんどん下がっていくとも言われています。
ここで結論です。もし後ろ足が立たなくなってしまった場合、飼い主様に一番初めに行ってほしいことは、「できるだけ早く動物病院に行く」ことです。
そして獣医師の診断を受け、椎間板ヘルニアの疑いが強く、圧迫の程度も強いだろうと予想された場合、MRI検査を勧められるはずです。
このMRI検査でどの背骨と背骨の間の椎間板が原因になっているか、詳しくわかることができ、圧迫の程度も詳細にわかります。
つまり、すぐに手術が必要かどうかの判断がここで確実にわかることとなります。
飼い主様にしかできない「病院に連れて行く」は、とても大切な事
椎間板ヘルニアを患ってしまう事は、確かに良いことではありません。ただ、起こってしまった後、どのように対処すればよいかしっかり把握しておいて頂けると、ワンちゃんにかかる負担をできるだけ軽くすることができるはずです。
ここには書ききれなかったことも多いですが、「できるだけ早く動物病院に行く」という事を忘れないでください。
大学病院に匹敵する獣医療の提供と飼い主様に徹底したインフォームド・コンセントしています。
大切な家族でお困りの際には、お気軽に相談ください。