小型犬の仔犬を飼い始めたら気を付けたい事

家族としてかわいい仔犬を迎え入れるのはとても嬉しい事ですよね!

私たちの病院にも「新しく飼い始め増した!」と、とてもうれしそうに来院してくれる飼い主さんがいっぱい訪れ、そういったご家族を見ているとこちらもとても癒されます。

仔犬の体調が急変!?

chihuahua-820085_640

ここ数年、日本で飼い始められるワンちゃんはチワワちゃんやトイプードルといった小型犬がダントツで多くなっています。

小型犬の仔犬はもちろんとても小さく、すべての仔において家族に迎え入れる段階でも健全とはなかなかいい辛いほど、体調の変化が激しいことがあります。

人の赤ちゃんと同じように、まだ免疫力は未熟でワクチンを重ねて接種しなければなりません。

これは小型犬に限ったことではありませんが、それほど伝染病の感染力は高く、命脅かすものだという事をぜひ覚えておいてください。

仔犬の低血糖

仔犬=ワクチンという事は当たり前のように浸透していますが、ここ最近の小型犬のブームのせいか仔犬が低血糖で運ばれてくるケースが後を絶ちません。

「低血糖」というフレーズを耳にしたことがあるかもしれませんが、体のエネルギー源である「糖」が不足し運動や体の機能が正常に働かなくなる状況です。

車で例えるとガソリンがなくなりそうな状態です。車はその状態でもガソリンがある限りは正常な働きをしてくれます。

これが動物の場合となると、糖が減ってきている状態でだんだんと体へ行きわたらなくなり活動ができなくなってきます。車でたとえる「ガス欠」つまり糖が0になってしまう状態は、動物にとって「死」を意味します。

なぜ仔犬で低血糖が起こるの?

poodle-403163_1280

仔犬における糖が少なくなるという状況は、ほとんどが「十分な食事を食べていない」ことから引き起こされます。

仔犬がご飯を食べないわけがない!と思われる方も多いでしょう。しかし近年はこの事例が増えてきているのです。

原因は主に2つあり

・低血糖を引き起こす(食欲を減らす)何らかの病気にかかっている場合

・食事を食べたくない理由が環境中にある場合

です。

前者の病気が原因の場合は、その病気を根本からたたかなければなりません。しかし、原因が特定できれば治療によって回復することも可能といえます。

後者の場合がとても厄介で、病気にはかかっていないのに食欲が無いもしくは食が細いという場合です。

言えに迎え入れて間もない時は、環境が変わったことで大きな精神的ショックを受けてしまう仔も少なくなく、食欲がわかない仔もいます。

育った環境にも左右される

dogs-1029124_640

また、小さいころから親兄弟と引き離されていると、食事の時間に「ごはんを取り合う」という事を充分に経験しないため、食事に対する執着心が非常に薄れてしまうことがあります。

兄弟たちがいると、本人が空腹を感じていなくても、目の前のごはんを逃すと次に食べられる保証はないために必死に食らいつきます。これが自然界においても生きていくためのごく当たり前の学習となっています。

ただし、小さいうちに一人の状況になれていると、時間になればごはんが勝手に出てくるとわかって、気が進まなときは食べなくても次でいいと感じてしまいます。

実はこの状況から、仔犬が突然状態を崩してしまう「低血糖」が引き起こさてしまうのです。

仔犬の体にはまだエネルギーを溜めておく仕組みが不十分なので、1食抜いただけでも低血糖を引き起こしてしまう危険性が充分にあります。

仔犬が家にきて何も不自由なく健康に育つだろうと思いたいですが、こういった危険性もあることを頭の片隅に置いておいてください。

 

公開日:
治療は光が丘動物病院グループへ
日本で数少ない「1.5次診療」をおこなっている当グループは、
大学病院に匹敵する獣医療の提供飼い主様に徹底したインフォームド・コンセントしています。
大切な家族でお困りの際には、お気軽に相談ください。

PAGE TOP