犬だけじゃない?猫のヘルニア

「ヘルニア」と聞くとすぐにワンちゃんが動けなくなるヘルニアを想像されると思いますが、実はネコちゃんにもヘルニアは起こるんです。

猫のヘルニアって?

kitten-1517537_640

ワンちゃんほど多い症例ではないのですが、先天的(生まれつき)にヘルニアをもってしまっている仔もいます。

実は腰・椎間板のヘルニアではなく、内臓のヘルニアがネコちゃんでは気を付けなければなりません。

異常な場所に飛び出てしまう、それがヘルニア

もともと正常な部位にある物が何らかの原因で違った場所に出てしまうのが「ヘルニア」です。

例えば「臍ヘルニア」いわゆるでべそですが、これはおへその穴の部分から内臓の脂肪や腸が出てきてしまう状態です。

ネコちゃんの内臓に起こるヘルニア、そして生まれつき起こってしまっているものが「心嚢膜横隔膜ヘルニア」です。

とても難しい言葉ですが、横隔膜は腹部と胸部を分けている膜です。

胸部には心臓と肺があり、腹部には肝臓、胃、腸などがあります。

この横隔膜の一部に穴が開いてしまい、そこへ肝臓などが入り込んでしまっている状態を「横隔膜ヘルニア」といいます。

そして先天的にみられるのが、この横隔膜と心臓を包んでいる「心嚢膜」にも穴が開いてつながってしまい、心臓の周りにまでも腹部の臓器が入り込んでしまった状態が心嚢膜横隔膜ヘルニアです。

心嚢膜ヘルニアの症状は?

kitten-408798_640

心嚢膜ヘルニアの症状はとても分かりづらく、ペットショップで購入した時では全くと言っていいほどわかりません。

生後半年くらいになり、とびまわっていたのに突然疲れて動かなくなってしまったりすることで飼い主様が気づき、動物病院に来るケースが殆どです。

診断はレントゲン撮影でほとんどわかると言っていいでしょう。

子猫なのに重度の心臓病かと間違えるくらい心臓周囲の影が大きく見えます。

超音波検査では、心臓の周りに腹腔内の臓器が入り込んできているのを確認できます。

心嚢膜横隔膜ヘルニアの治療は?

04_1

外科手術でしか治りません。

また、先天的であるため、あまり町の獣医さんでは手術されません。大学病院や十分な施設を持っている病院で行われます。

当院でも飼ったばかりの猫が元気がない、他の病院で心臓もしくはその周辺に病気があるだろうとのことで来院された方々がこの病気の発見に至りました。

大学病院へ紹介し、無事手術が終わって今では元気にしてくれています。

突然死の原因にもなる病気なので、子猫の様子が何か変だな?と思ったときは、迷わず動物病院へ相談しましょう。

 

公開日:2016/11/19
更新日:
治療は光が丘動物病院グループへ
日本で数少ない「1.5次診療」をおこなっている当グループは、
大学病院に匹敵する獣医療の提供飼い主様に徹底したインフォームド・コンセントしています。
大切な家族でお困りの際には、お気軽に相談ください。

PAGE TOP