犬のお腹に腫瘍?脾臓の腫瘍

わんちゃんも人と同じように高齢化が進んでいます。
高齢のわんちゃんを抱えていたり、長生きしてくれた子をみとった方も少なくないのではないでしょうか。

ワンちゃんの高齢化、そしてガン

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わんちゃんの高齢化に伴って増えてきた病気の一つが『ガン』です。
わんちゃんも人と同じように様々なガンにかかってしまいます。
皮膚や体の表面にわかりやすくできる腫瘍は飼い主様も気づきやすいですが、お腹の中にできてしまう腫瘍はなかなか発見が難しいものです。

腹腔内(お腹の中)にできるガンは発見しづらい

肝臓、腸、脾臓など腫瘍ができる臓器は様々ありますが、脾臓の腫瘍は良性・悪性ともにできやすい部位の一つでもあります。
脾臓の腫瘍が発見される場合、獣医師による腹部の触診か、腹部の画像診断(超音波検査やレントゲン検査)、そして腫瘍が破裂しお腹の中で大量出血し多彩に起こる重度の貧血で気づくことが多いでしょう。
腫瘍は時間の経過によって大きくなっていきますが、その過程で時間の経過したガン細胞は死んでいってしまいます。
つまり、広がっていく先の細胞は新しいのですが、発生した部位の細胞は死んで崩れていってしまうのです。
脾臓という臓器は非常に血管に富んだ臓器でもありますので、腫瘍が大きくなるといずれ一部が崩れ、そこから出血が起こってしまうことが多々あります。

脾臓の腫瘍が破裂してしまうと?

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急激に貧血が進むため、飼い主さまは突然倒れたわんちゃんを訳もわからず病院に運ぶ他ありません。
お腹の中の出血は超音波検査ですぐに判明します。
また、大きくなった腫瘍はレントゲンでもかなりはっきりと確認できるでしょう。
貧血の度合いにもよりますが、出血がまだ続いていると考え、その出血部位である脾臓の摘出手術を第一に考えなければなりません。
また、失われた血液を補充する為にも、輸血の準備も行われます。
脾臓の摘出手術の難易度はさほど高くありませんが、腫瘍が大きい場合は摘出時に慎重に扱わなければ更なる出血を起こしてしまいます。
脾臓は他の臓器とは血管のみでつながっている為、脾臓に出入りしている血管を結紮(糸で結んで切り離す)することで摘出できます。
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最近では血管やその周囲の組織ごと挟んで焼き付けて止血ができる医療機器も普及しており、そういった機械があればより安全に摘出できるでしょう。
摘出後は腹腔を閉じ、麻酔からの回復を待ちながら輸血を行っていきます。

早期発見は人と同じように検査をするしかない

このように、飼い主様の見えないところでガンが進んでいることは最近よく見かけます。
人も人間ドックに定期的に行っている人も居れば、面倒くさがってなかなか行かない方もいますよね。
でもわんちゃんや猫ちゃんは自分の意思で動物病院で検査を受けることはできません。
7歳を超えたら1年に1回、12歳を超えたら年に2回はかかりつけの先生と相談して、複数の検査を受けてさせてあげてください。
最近小型犬では20年生きてくれる子も少なくありません。
また、10歳から15歳で手術を無事乗り越えてくれる子も多いです。
早い段階で気づければ、たとえ高齢といえども手術を行うことで一緒にいられる時間を延ばせることが可能です。
定期的な検査を心がけてくださいね。
公開日:2017/02/23
更新日:
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