犬の脾臓の腫瘍とドッグドック

飼っているワンちゃんが高齢になってくると、怖く感じるものの一つに腫瘍・ガンが挙げられますよね。

人と同じように、定期的な検査を受けていないと、気づいた時には手遅れ…という事も多くみられます。

誰もがかかる可能性があるガン。見つけられますか?

体の表面にできた腫瘍であれば、発見はとても早いでしょう。

日々飼い主様がみている中で気づくことが多いからです。

では、体の中はどうでしょう?

ワンちゃんが高齢になり、お腹の中に腫瘍ができたという場合、脾臓の腫瘍であることが多くみられます。

もちろん、その他の臓器にも腫瘍は発生する場合がありますが、特に大型犬などでは脾臓に腫瘍ができる場合が多いです。

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ガン=手術?

一般的に「ガンができた」「腫瘍があります」という場合には、「切除」つまり手術で切り取るというのが第一選択です。

これは、今ある腫瘍が悪いものであった場合、他の場所に転移してしまう可能性や、腫瘍が大きくなってきた場合、それ自体が崩れ、腫瘍に含まれていた大きな血管が破裂し大出血してしまう恐れがあるためです。

脾臓の腫瘍の場合も、同じことが言える場合があり、大きさや経過によって手術による切除が必要になります。

脾臓はとても血管に富んだ臓器であるため、上記のように腫瘍が大きくなった場合、一部が崩れてお腹の中で大出血をしてしまう場合があります。

その場合は急性の貧血を起こし、場合によっては手術まで持たずに亡くなってしまう場合もあります。

脾臓の手術症例はこちら

腫瘍があっても手術しないという選択肢

さて、ここまでは怖い事ばかり書いてしまいましたが、実際に脾臓に腫瘍があっても手術を行わない場合もあります。

ワンちゃんが高齢な場合、他の疾患にかかっていて麻酔下で健康状態が保てない可能性がある場合、腫瘍の経過にほとんど変化がなく、悪性の腫瘍でない可能性がある場合などです。

動物病院で脾臓の腫瘍の摘出手術をする場合、上記に挙げたように破裂して急性の貧血を起こし来院する場合が多いです。

なぜかというと、やはりお腹の中の腫瘍は見た目ではわからないからです。

飼い主様が気づかぬうちに大きくなり、破裂し、状態を崩してから初めて発覚するという場合が多いです。

では、手術を行わない具体的なケースはどういったものがあるでしょう?

これはズバリ「定期検診」です。

アニマルドック、ワンドック、ドッグドック??

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飼い主様の中には、年に1回「アニマルドック」「動物ドック」「ドッグドック」とよばれる総合的な検査を受けてあげている方も少なくないと思います。

このドックの中には、血液検査、レントゲン検査、超音波検査、心電図検査などが含まれている場合が多く、とくに腹部の超音波検査により、お腹の中の腫瘍が発見される場合が多いです。

あまりにも大きな腫瘍が見つかった場合は、破裂の恐れなどを提示し、飼い主様と手術に踏み切るかどうかをお話ししなければなりません。

ただし、ごく小さなものであった場合、年齢やその他の状況も視野に入れ、定期的に経過を観察するという判断もできます。

病気とうまく付き合っていく生き方

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つまり、定期的な総合検査によって早期発見できる病気は、その後大きな手術などを経験せずにうまく付き合っていけるという選択肢も選べるのです。

特にこの脾臓にできた腫瘍に関しては、定期的な動物ドックで発見できるケースが多々あります。

10歳を超えたワンちゃんを飼われている飼い主様の中で、まだ総合的な検査をされたことがない方は、是非かかりつけの獣医師さんで動物ドックを行ってあげましょう。

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