眼球摘出術のキーポイント
今回は眼球摘出術を取り上げようと思います。
人と動物の違いが手術の違いにも
眼の疾患の種類は多く、手術を含め治療法も様々です。ただ動物の場合は人と比べ治癒経過が緩慢であったり悪化することもよくあります。それはやはり自らが「治そう」という意志を持って治療に積極的になってくれないからという部分が大きいとおもいます。
例えば、「目薬が苦手で、点眼しようとすると暴れる」「ふとした瞬間に眼をひっかいてしまった」などがあげられ、患者様の中には毎日通院して病院の先生に点眼をしてもらう、24時間エリザベスカラーが外せないなどの悩みを抱える方もいらっしゃいます。
そういった眼の疾患と「悩み」を抱えた方、そして眼事態の予後があまり良くないと判断された場合に、この手術を選ばれる方が多いのかもしれません。
もちろん、摘出してしまえば元には戻りませんし、今まで見てきたかわいい顔も印象が変わってしまいます。
一番の悩みを取り除く…
ただ、飼い主様がかかる日々の悩み・本人が常に感じている痛み・お互いが積み重ねるストレスからの解放なども考えると、一つの有用な手術だといえるでしょう。
さて、手術自体のキーポイントですが、瞼からメスを入れて眼球の周りにある強靭な組織を丁寧に剥離していきます。
剥離が終わると眼球の奥に太い血管と神経が残りますので、これを丁寧に結紮(手術用の糸で血管などを縛ること)します。
ただ、もちろん眼球は丸く、加えて頭蓋骨に収まっていますので、収まっている眼球の奥にある血管を縛るというこの作業はとても困難なものになります。
焦らず、確実に結紮することがこの手術の一番のキーポイントと言えるでしょう。
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