膿胸・開胸手術のキーポイント その1

膿胸という言葉はあまり聞きなれないと思いますが、動物病院では1年に何度か膿胸を患った子を受診することがあります。

胸に膿がたまる「膿胸」とは?

名前の通り胸に膿がたまってしまう病気ですが、具体的には胸腔という肺と心臓が収まっている肋骨の内側の空間に膿が溜まることを指します。原因はいくつかありますが、一番多いケースは外に行く猫ちゃんでよく喧嘩をする、家のネコちゃんで複数頭飼っている場合などです。

猫の爪には雑菌が多く存在します。喧嘩をした際皮膚の中まで爪が刺さると、皮膚の中に雑菌が埋め込まれ、表面の皮膚が先に治って塞がってしまうという場合がよくみられます。

この場合、皮膚の中で雑菌が繁殖し、数日後に大量の膿となって皮膚を破って出てくることがあります。また、これと同様に爪が胸腔やその近くまで刺さってしまった場合、雑菌が胸腔内で繁殖、膿となって溜まってしまいます。

胸腔は肺が膨らむためにある空間なので、膿などがたまると肺がうまく膨らむことができなくなり呼吸不全が起こります。

外からは膿の溜まり具合は分からない為、飼い主様は「苦しそう」「熱っぽい」といった外観から気づいて病院に来ることが多いです。

その治療方法は

治療方法は胸部に針を刺して膿を抜けるだけ抜いた後、生理食塩水などで根気よく洗浄を繰り返すこととなりますが、この方法は膿を抜く量と洗浄効果に限界があり、長引いてしまう場合もあります。

そういった場合は胸部をあける「開胸手術」で改善を試みます。
この続きはまた次回。

公開日:2015/09/15
更新日:
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