生殖器・副生殖器外科

子宮蓄膿症

未避妊のメスの高齢犬でしばしば見られる病気です。
最初はほとんど気づきません。
なんか元気がないな、なんか食欲がないな、ぐらいにしか思わない飼い主様が多く見られます。陰部からおりものが出て初めて気づかれるかたがほとんどです。
治療法は手術しかありませんが極端な話、手術はそれ程難しくはありません。
しかし、大抵の場合一般状態が低下し、かつ子宮蓄膿症の手術が様々な合併症が出る可能性があるため、手術中の麻酔のリスクや、術後の状態が安定しない場合もあるため、手術自体の危険性はかなり高いものとなります。

  • ① 巨大な子宮
    巨大な子宮

    膿が子宮の中に溜まるため、通常と比べると非常に拡張した子宮となります。大型犬では直径10cmを超えることもしばしばです。
    時間が経過した症例では子宮自体も脆くなっている場合も有り、子宮を体の外に取り出すのは慎重にやらないといけません。

  • ② 普通の子宮
    普通の子宮

    ちなみに普通の子宮のサイズです。小型犬であればボールペンよりも細いぐらいです。

  • ③ 慎重に慎重に
    慎重に慎重に

    子宮はもろくなっている上に非常に大きくお腹の中の体積を占めていますので、一気に抜くと血圧が低下する場合があるので、ゆっくりゆっくり体の外に出していきます。

  • ④ ひとつひとつ丁寧に
    ひとつひとつ丁寧に

    基本的な手術方法は避妊手術と同様です。もちろんとる臓器の大きさは全く違いますが・・・。まず卵巣側の血管を結紮し、卵巣についている靭帯を切除します。

  • ⑤ あと一息
    あと一息

    卵巣側を切除したら、子宮頸というところで子宮を切除します。切断面にも膿が溜まっていることもあるので、よく洗浄を行います。切除した後、縫合します。

  • ⑥ 最悪・・・・
    最悪・・・・

    経過がとても進んでしまうと、お腹の中で子宮が破裂し、膿がお腹の中に漏れ出し、写真のようにお腹の中の臓器が炎症を起こし、腹膜炎を併発します。当然状態は急速に低下します。こういった場合、腹腔内をよく洗浄しドレーンと呼ばれる管を設置します。入院日数も長いものとなるでしょう。

子宮蓄膿症はなってしまうと非常に恐ろしい病気となりますが、予防は可能です。それは早期に避妊をすることです。
健康な体にメスを入れることに抵抗を感じる飼い主様も多いと思いますが、色々な病気が予防できるのであれば、避妊をするメリットは極めて高いものになるのではないでしょうか。

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