椎間板ヘルニア手術のキーポイント
以前に頸椎ヘルニアについて書かせていただきましたが、今回は胸・腰椎のヘルニアについて少し書かせていただきます。
ミニチュアダックスフントが代表
いわゆる腰のヘルニアですが、皆さんもご存じのとおりミニチュアダックスちゃんの症例の数がかなり多くなっています。
首のヘルニアとは違い、背中のヘルニアは背面からのアプローチになります。事前のMRI検査から、どことどこの背骨の間にある椎間板のヘルニアなのかを確定してからの手術となります。
ただし手術中は滅菌された布で体を隠してしまいますので、目で見ただけではどこの何番目の背骨か分かりづらくなりますし、この手術は背骨に穴をあける手術ですから、後戻りもやり直しもききません。
確実に手術を進めるには、最も確実な情報を手に入れることが重要です。
手術前に背骨にマーキング
そこで手術がはじまる直前、麻酔をかけて毛刈り・消毒まで終わった後に、注射用の針を目標となる背骨の突起に突き刺しておきます。こうすることによってその直後のレントゲン写真には、針がどの背骨の突起に刺さっているかを確認することができます。
手術中はその針が刺さっている背骨を目印として、責任病変のある椎間板にアプローチをしていきます。もちろん針はすぐに回収されますし、体への侵襲もごく軽度です。
この方法が最も確実で信頼性のあるマーキング方法だと思われます。
より手術を確実に行い完成度を高めるためには、十分な準備が必要だということがわかりますね。
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